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interview04 <2005/10/20>
NIK WESTON -ニックウェストン-

不定期に始まったワールド・ワイド・インタビュー第1弾の今回は「ニックウェストン」にインタビュー!! ロンドンのニュージャズレーベル「EXCEPTIONAL RECORDS 」のA&Rマン。彼自身でもレコードプロモーションカンパニー「MUKATUKU PR」・コンサルタント等もやっている。DJとしても「JAZZ ROOM」でのレジデントDJとして長年プレイし、ジャパンフレンドリー・クラブ・ナイトなども10年に渡って活躍中。その活躍はヨーロッパ全域はもちろんロシア・カナダ・オーストラリア・シンガポールなどにもおよんでいる。<質問 構成 : 太田孝次 / 訳 : YUKI>

 


NIK WESTON
 

まず、あなたは大の親日家という紹介をよく耳にしますがそれはどういったきっかけからですか?

N : ただ自分が日本人プロデューサーや日本の音楽に興味があるだけなんだけど、ここ数年ずっとそういう風に呼ばれているんだよね。でも実際自分が作成したコンピレーションには日本人の音楽も収録してるし、数多くの雑誌やホームページで日本のクラブシーンのことも記事にしてるし、ここ5年は大阪のレーベルEspecial Recordsのヨーロッパオフィス責任者としてヨーロッパでの販売をオーガナイズしたり、プロモーションしたりしてるよ。

名前がユニークなあなたが運営している「MUKATUKU」についてお話下さい。

N : 1996年に「Mukatsuku」というイベントをやってたんだ。名前の由来は当時のDJ仲間ミッケルの奥さんが日本人で、いつも「Mukatsuku!」って言ってたから。 それで、これをイベント名にしたらおもしろいんじゃないかって。そのイベントは18ヶ月でやめちゃったんだけど、僕ら(当時のDJ仲間:自分とミッケルとマーロン)はそれからもう10年くらい経つけど、未だにどこかでイベントやるたびにこの「Mukatsuku」という名前を使ってるんだよ。だから自分でプロモーション会社を立ち上げたときは迷わず「Mukatsuku」という名前にしたよ。当時すでにこの名前が世界中に浸透してたし、自分が書いてたMukatsuku chart は日本の雑誌remixで3年間レギュラーで掲載されてたしね。それもあって日本ではこの「Mukatsuku」という名前はかなり知られてて、ここ5年では数多くのイベントを日本でやることができたよ。

今現在の活動とプレイしているイベント等を教えて下さい。

N : 基本的にEspecial Recordsのデストリビュータとプロモーション会社の経営。他にはコンピレーションをリリースしたり(現在まで計7枚のコンピレーション、2枚の12インチシングル、今年中にRoutine Jazzからミックステープとclub brasilから12インチシングルがリリースされる予定。)あとは、ブラジル、ファンク、ジャズなど(日本の音楽ももちろん)を中心に世界中でDJしてるよ。

 

《現在までに発売されたコンピレーション・12インチシングル》

・Jazztronik - 'Inner Flight' - Counterpoint (with Jake Benhan)(CRCD/LP012)
・Various - 'Music & Movement Vol 1' -Climate/Mumo-(climate 01)
・Various - Moshi Moshi - 'Nu sounds from Japan' - Fuego Records (FUEGOCD/LP 005)
・Various - 'Take me aosis-A nite out in London' -Aosis next/Victor Entertainment /JVC- ( VICL-69091) *日本限定発売*
http://www.jvcmusic.co.jp/rcommnd/check/cl69091.html
・Various - Sakura Aural Bliss - Kriztal Entertainment (KR1 -CD -3017)
・Various - Exceptionally Remixed - Exceptional Records (EXLPCD0403 )
http://www.exceptionalrecords.co.uk
・Various - Nu[new]Style Vol.3 -Living in the music: Nik Weston- (SOL NR-0003、POS:4562112368035)
http://www.nuro.jp/

(12インチ)
・Seikou Nagaoka/Jazoulster -'Speed of Love' / 'Landscape from the Higher
Lounge'-aosisnext/goya (AOA-7)Ltd edition 12'' sampler.
http://www.goyamusic.com/cataloguemain.htm
・Sakura Aural Bliss - 4 track vinyl sampler (KR1-002)
・Various - Club Brasil Vinyl Sampler -Club Brasil Records (BB1201 )

 


Jazztronikの野崎良太と
 

日本のDJ&クリエイターにスポットをあてた作品を多く見かけますがそれはどういった理由からですか?

N : やっぱり日本人プロデューサーが好きだし、個人的に買うレコードも日本のものが多いからね。

日本人をプロモートして海外での反響はどうですか?

N : ヨーロッパの市場に合うわないものもあるけど、世界的に広がって欲しいものもたくさんある。そういう点で、世界中の人がもっと日本の音楽に目を向けてくれたら−そう思って頑張ってるよ。

日本のジャズ・ファンに、今のロンドンでのお薦めイベントを教えて下さい。

N : ロンドンで日本の音楽が聞けるのは僕と同じように日本の音楽が好きでXFMでラジオショーをやってるニック・ラスカムのイベント。それと毎月最終週の木曜日にやってる自分のイベントonward internationalかな。あとはブロークンビーツのイベントco‐opで有名なplastic people、他にもcargoやjazz cafeはお薦めだね。

あなたのようなビジネス展開を願っている日本のDJは多くいます。また日本の環境はそれに近づきあると思うのですが、まず何が一番大切なことだと思いますか?

N : ここ何年かでオンラインの売り上げが劇的に伸びてるし、これによって日本でもマーケティングの方法がだいぶ変わったんじゃないのかな。レコードレーベルに一番大事なのはやっぱり自分のやってる音楽を信じること。レコードレーベルで働いてて思うのはアーティストをどう見てるかによってレーベルは大きく変わってくるということ。音楽も自分の仕事ぶりも周りから注目されるように努力すること。自分がその音楽を信じていれば周りの人も納得するようになると思うよ。

もし拠点を日本に置くとしたならやはり東京ですか?

N : そうだね。やっぱりレーベル、クラブ、レコード屋が多く集まってる場所だからね。

これからの活躍に期待してます。また近い将来クラブブッダでのプレイも是非お願いします。

N : I hope so too! Please invite me to dj ! Please book me and let’s go for nice dinner!

 

<ここからは名古屋で活躍中のジャズDJ&ミュージシャンからニックさんへの質問!!>


沖野修也(左端)・小林径(右端)
 

最近の日本のアーティストの12インチをあなたがチャートやラジオ番組で紹介すると欧米での値段が日本の1.5〜2.0倍に上がりますがその点に関してはどうお考えですか?<MEETIN' JAZZ / 平岩克規>

N : 本当に?聞いたことなかった。でもこれが本当なら自分のコンピレーションをもっとプレイしなきゃ!(コンピレーションがもっと売れるように!)それか友達のプロデューサーにニックに音源送ってプレイしてもらいなって、そしたら価値が上がるよって言ってみたら。

あなたはいろんな楽曲をプレイしますが、自身では楽曲制作を始めないのですか?楽曲制作をしないならばDJにこだわる理由があるのですか?<MEETIN' JAZZ / 平岩克規>

N : 何年か前に友達のAfro(Tatsuki/blue foundation)とやったことはあるよ。でもその当時、二人ともとても忙しくて、しかもやるたびに違うアイディアが出てきては作りかけの音を変えて…ってやってて結局完成してないんだよね。実際そんな時間はないくらい忙しいっていうのもあるけど。
でもよく考えるとやっぱり音楽は専門家に任せて自分はそれを扱って働くほうが好きなんだろうね。もし自分で音楽を作ったら常に作り変えて、作り変えて、一生出来上がらない気がするからね!

アシッドジャズやレアグルーブの流行りだしたクラブジャズの発生期から、現在のNUJAZZと呼ばれるシーンの変化の様子と、今後ジャズシーンがどういう方向に発展していくのか考えを聴かせて下さい。<nativ 中村>

N : この間soil & pimp がロンドンに来ててそのときに彼らが言ってたことなんだけど、soil & pimpっていうバンドはjazzを基本に他の音楽soul/funk/house/rock などと融合させて自分らの形を作りたいんだって。このアイディアには本当共感するよ。それで将来的にももっとそういったタイプのバンドが出てくるだろうって。最近はみんながいろいろなジャンルの音楽を聞くからね。そういった新しいタイプのバンドがもっと出てくるのが本当に楽しみだね。

「世界中でご活躍されていると思うのですが、ヨーロッパ各国、そして日本でのクラブシーンの特徴を教えて下さい。また日本のクラブシーンに期待することは何ですか?」 <nativ 中村>

N : やっぱり国によってそれぞれ特徴があるからDJの時は気をつけてやってるよ。
例えば、スカンジナビアあたり(デンマーク、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンあたりの北欧)ではsoulの歴史があるから、クラブに来る人はsoulを好む。 イタリアではJazz、Bossa、Brazil。ドイツではSoulよりももっとビートのあるものやエレクトロなものがうける。フランスはHip Hopスタイルのもの。オーストラリアではFunkyなもの。シンガポールではHouse。こんな感じかな。
日本のクラブシーンについては常に思うんだけど、日本はヨーロッパとアメリカの中間にあってその両方からの音楽に影響されてるから、日本人プロデューサーが作る音楽ってその両方のよさを取り込んだまさにちょうど中間にいるような音で、しかもそれがきちんと日本内で確立されているんだよね。それがやっぱり日本のクラブシーンの魅力で、自分が興味を持つ要素かな。特に日本のジャズシーンはとてもいいよね。カフェやバー、どこに行ってもジャズが流れているくらい浸透しているし。soil & pimpのアルバムが20,000枚売れてるみたいで、普通ジャズのアルバムってロンドンでもそんなに売れないからこれは本当にすごいことだよ。この先もどんどんよくなってほしいと思ってるよ。


calm(右端)
 

イギリスと日本の共通する政治背景、現在の西側諸国のアメリカ主導の国際政治に関してどのような意見を持っていますか?<J'SBEE / 清水純>

N : 政治に対してそこまで興味はないんだけどブッシュとブレアはやりすぎだよね。まぁそんなことよりも音楽のほうがもっともっと興味があるよ!

現在イギリスは、テロ等で緊迫した状態ですが、以前から貴国はアイルランド紛争等でIRAからのテロにさらされていましたIRAとの、とても難解な休戦、また北アイルランドについては、どのようにお考えですか?または、カトリック、プロテスタントの宗教に関する紛争についての、意見はおありですか?<J'SBEE / 清水純>

N : 思うに宗教の信仰が強いところは特に争いは絶えないよ。人が信じるものってとても強いし、そんな簡単に変えられるものでもないからね。自分側で誰かが殺されたりすると必ず相手側に仕返しをしたくなる。一度こういうことが起こるともうおさまらない。両側とも人が殺されたことで苦しんでるし、頭にきてるからね。もし自分の母親が殺されたらその殺した本人やそのグループを許して平和に暮らせるかな?それで、許したとして今度は兄弟だったり自分の息子だったりが殺されたりして。許せると思う?
アイルランドにおいて宗教はとても強くて、平和なんて簡単に手に入るものではなくて、もしかしたら二度と平和になるなんてことはないんだ、という考えもあるみたいなんだ。歴史的に見ても宗教が引き金でいくつもの戦争をやってきた訳で、でもこれって本当に悲しいことだよね。とても強い宗教って本当は恐ろしいもので、僕は本当に平和な世界を願ってるよ。
世界中みんながうまくやって、戦争なんてなくなって・・・これは常に考えることだね。