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interview16 <2006/11>
DRAGON

「絵描くのはほんまに大好きで、普段もずっと描いてるんですよ。」

ina(以下:I )先日はお疲れさまでした。まず名古屋はどうでしたか?人や雰囲気とか。

DRAGON(以下:D)お疲れ様でした。今回は名古屋のクラブでは初のライブペイントやって、テンションも上がっていたし、とにかく絵に集中することが出来ました。お客さんやbuddhaの関係者の人とか、みんな興味をもって見てくれているのが伝わったし、すごくいい雰囲気の中描くことが出来て、自分でも本当に満足のいくペイントが出来たと思います。

I:自分のテンションとお客さんの求めているモノのバランスって難しい。自分のテンションが上がり絵を気に入っても、それがお客さんが求めているモノとは比例しないと話していましたが、今回はどうでしたか?

D:そうなんですよね。絵っておもっきり自分のエゴの世界やから、その時に描きたいものを好きなように描いてるのが一番いいんですけど、ただ人前で、しかもお金をはらって見に来てもらってる人の前で描く以上、あまりにも温度差がありすぎる時はすごくしらけたりするんですよ。でも、それを意識しすぎると自由じゃなくなって、いい物ができひんかったりするから、そこはバランスですね。一番いいのはその日のその場でみんなが共有できるすごくいいバイブスが出てれば自然といい物が出来ますね。そういう意味でも、今回のBUDDHAでのライブペイントはすごくいい時間を過ごせました。

I:お腹が減っている方が集中出来て、いい作品を描けるそうですが、お腹いっぱいだった今回はどうでしたか?

D:風来坊の手羽先食いまくりましたからねえ。でもほんとは、絵を描く時にあまり満たされていない状態の方がいいんですよ。自分の絵で見せたい所とか感じてほしい所を引き出す時に満たされた状態やったら、その感覚が鈍るんですよ。でも今回は長時間集中して描けたから、あの手羽先が良かったのかも。

I:ボクもですが、毎回全く描く内容を決めずにライヴペイントをするそうですが、今回登場した動物や色合いは「DRAGON」さんから見て何か名古屋との接点みたいな意味はあったのでしょうか?

D:あまり名古屋的なものっていう意識はなかったんですけど、さっきの質問ともかぶるんですけど、多分その日に自分の描きたいものがその日のお客さんのテンションとかがみあったに時にすごくいいバイブスが出るから、出来るだけモチーフとか、構図、絵のタッチとかはその日のかかってる音楽や、クラブの雰囲気を汲み取った物をふまえて即興で描くようにしています。その場のノリですね。

I:今では都内でたくさんのライヴペイントを見る事が出来ます。多くの人がライヴペイントをする様になってから、何年も描いている「DRAGON」さんにとってそれはどう写りますか?

D:それはねえ、ほんまいい環境やと思います。数年前まではライブペイントってクラブとかでやってるとこってかなり珍しかったんですけど、ここ数年はほんま増えたし、そのイベントのなかでも結構重要な位置にあったりしますからね。もっと色んな場で、ペインター同士が切磋琢磨出来る環境が増えればいいですね。

S.U.G.I(以下:S)ライブペイントというものが認知され始め、仕事になるなと思い始めたのはいつぐらいでしたか??

D:どうやろう?実際、よし、これを仕事にしようとかってあまり思ったことないかも。でも、環境はすごく良くなって来てるから自分で自覚する前にそういう環境になってきてるって感じです。ライブペイントはひたすら楽しんでる感が強いですね。

S:最近象を描くのがスゴイ好きやねん!みたいなお話が印象的でした。実際、プライベートで常に何かを描くトレーニングみたいな感じでやってるんですか??

D:トレーニングとかっていうのはないんですけど、子供と一緒に動物図鑑とかみてて、象の皮膚とか見たら、描きて〜、ってなるから、よくそういう流れで描いてます。絵描くのはほんまに大好きで、普段もずっと描いてるんですよ。

I:DRAGONさんの作風でもあるカリヴっぽいと言いますか、南国の匂いがする絵は何に影響されたと感じますか?

D:実はあまり南国に旅したことはないんですけど、ああいう自由で開放的な楽園的な感じへの憧れやと思います。自由と解放は絵を描く上での一番のテーマなんですよ。それを追い求めています。

I:ボクは何となく「DRAGON」さんの絵を初めて見て闘っている様な雰囲気がしたんです。武器ではなくて筆で。革命と言いますか、何となくなんですが。誰かに言われたり、ご自分で感じた事はありますか?

D:革命っていう意識は常にあります。世の中のアートに対する価値観をひっくり返したいです。だから、ひげも革命家っぽくね(笑)。

I:長く描いていて、前の状況と今の状況で一番変わったなぁと思う事は何ですか?

D:音楽にしても、アートにしても、世の中にデジタル的な物が溢れてる中で、ライブ感って言うのがかなり重要視されて来てると思います。その時にその場でしか味わえへん空気みたいな。

S:ウェブで公開してる範囲での作品の評価なんですが、僕が見た中でもBUDDHAでのライブペイントの作品は歴代でもナンバー3に入るんじゃないか!?と思う仕上がりになってると思うくらい完成度が高いと思いました。実際自分の中での出来栄えの感想は??その理由は??

D:ほんとにかなりいいのが出来たと思います。その日の描きたい物とクラブの雰囲気がかみ合っって終始いいテンションで描けました。ほぼ休憩なしでずっとモチベーションが落ちることなく描けたし、描いてた時間もいつもより長くて、絵にすごく厚みが出たかなと思います。終わった時はすごく描ききった感で満たされてたし、気持ちよかったです。

I:ボクは描いていたので知らなかったのですが、描く道具として、タバコのケースを使用されていたみたいで。ナイフの様な質感がでていましたね。どういう経緯でタバコのケースを使用する様になったのですか?

D:実はあれは、あるときライブペイントに筆を全部忘れて行ったことがあるんですよ。そのとき、じゃあ周りにあるものだけを使って描こうと思ったんですね。その時にタバコの箱の面にペンキを付けてこすったらすごくいい掠れ具合が出て。それからずっと使ってます。さっきも言ったように満たされていないとこから生み出す物って実は本当に自分が探し求めてた物やったりするんですよ。

S:ライブペイント中に指を三角みたいな感じにして構図を取っていましたね??あれは??

D:あれは、まだあんまり良くない部分を手でかくして、バランスを見てるんですよ。部分部分を描き込む時の癖でよくやります。

S:大半の作品が黒人をフィーチャーしたものになっていますね??これについてコメントください。

D:18歳くらいの時から、ブラックカルチャーにすごく影響を受けて、自然とモチーフが黒人になって来たんですけど、最近はとくに黒人を描くっていうことじゃなく、人間を描いてるって感じです。でも、黒人文化が大好きやから、自然とその影響が出まくってるんですね。前は、黒人ばっかり描くことについて、自分で意味を考えたりしてて、基本的にマイノリティーの人々の力強さに魅力を感じてるのかなあとか考えてたんですけど、多分、前世がアフリカ人やったと思います。

S:そして黒人の魅力は??

D:ブラック・イズ・ビューティフルって言葉につきますね。

I:実は今回のライヴペイントは延長戦で朝6時半くらいまで描かれました。あの時間はとてもおもしろかったです。逆にお客さんには申し訳ないくらい。みんな床に寝転んで静かに「DRAGON」さんの絵を見る。変な曲も流したりして。ぼくらが勝手に熱唱(?)したりして。以前もどこかのクラブで朝までスタッフの方に付き合ってもらって描いたそうですね。

D:いやあ、ほんま遅くまでお疲れさんでした。あの時間はすごく変なテンションになってましたね。筆が止まらへんっていうか、やめたくないみたいになってました。前、大阪のSUNSUIってクラブの壁に描いた時もそんな感じで、朝の10時位まで描いてました。

I:イギリスで55DSLのプロジェクトに参加されたそうですが、海外と日本の絵描きに対しての評価や扱いの違いはありますか?

D:日本のペインターは本当にクオリティーも高くて個性もあるし世界的にもかなり自由な発想力を持っていると思います。近い将来日本が世界のアートの中心になる日も来ると思います。また、それをみんな意識してほしいですね。

I:「DRAGON」さんから見て最近の若い絵描きはどうでしょうか?

D:今の若いペインターはみんなそれぞれ、すごくいい感覚をもってますね。直感とか感性って歳をとるたびにすり減らしてると思うんですね。でも、その代わりに知識とかスキルで埋めていってると思ってるんで、そういう意味でも若いアーティストの感性はすごく刺激的です。この感覚は歳をとっても出来る限りキープしたいですね。

S:今後の活動予定で面白いなと思うものは??

D:今度、2月末にでる、STEPH POCKETSのCDジャケットの絵を描いてるんですけどそれに合わせて、PVを僕がずっとアトリエで絵を描いてる所を撮り続けたものがPVになります。これもCDの発売にあわせて流れ始めると思うので、チェックしてみて下さい。それと、場所はまだ未定なんですけど、東京で3月にグループ展に参加します。そして、5月か6月くらいに個展をやろうと思ってます。その辺はサイトでチェック出来るんで、是非!!

S:そして、今後こうなったら面白くなるんじゃないかという企てなんかありますか?

D:そうですねえ、今後はもっと日本のアーティストがもっと海外で評価されて、日本が世界のアートの中心になれば面白いなと思います。日本人はほんとに世界的にみても、独特の素晴らしい世界観を持ってるので、みんながそれを自覚しつつ世界に自信を持って動いて行けば、そうなる日は絶対来ると思うし、それが理想ですね。

I:最後に何かの番組みたい質問ですが、「DRAGON」さんにとって描くとは何ですか?

D:もう、なんやろう、当たり前のことっていうか、寝るとか食べるとかと同じくらい自然なこと。ただひたすら描きたいだけ。一生ずーっと描いていたいです。

また名古屋にいらして下さいね。次はひつまぶし食べに行きましょう!本当に楽しかったです。ありがとうございました。

 

<Photo by Youko>