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2月16日のMEETIN'JAZZでエキサイティングなライブをみせた"native"にインタビュー!!

<M:MEETIN'JAZZ / n:native>

【M:櫛 川】先日のMEETIN'JAZZへの出演ありがとうございました。早速ですが、2月にドイツのINFRACom!からアナログEP 「PRUSSIAN BLUE」がリリースされましたね。DMRの小川充氏を始めクラブ関係者が大絶賛している、ニコラコンテリワークを聴いた感想はいかがですか?

【n:中村氏】ニコラコンテがリミックスをしてくれたという話を聴いて、想像していたのは、彼の主宰するレーベルschemaの作品でよく聴くようなパーカッションを加えたフロア向けサウンドでした。ところが実際にできあがった音源は、昨年来日公演も果たしたニコラコンテグループによるかなりストレートなジャズの演奏でした。その演奏を聴いて、まず個々のプレーヤーの素晴らしい演奏に感動しました。そして、演奏が素晴らしいというだけではなく、クラブユーザーに対応したアレンジをされていて、その辺りは、クラブシーンに生音ジャズを定着させたニコラコンテの職人的な技術を感じました。

【n:山下氏】リミックス、という作業はだいたい楽曲のリズムに手が加わる事が多いと思うんですが、今回は生のバンドで、ドラマーとしてはまったく生の同じ楽器構成のバンドでこんなに変わるんだな、と思って聞きました。よくこの曲だけ聞き返してます。いい演奏ですよね。

【M:櫛 川】ニコラコンテがリワークすることになった、いきさつを教えて下さい。

【n:中村氏】今回、僕達のアルバム「PRUSSIAN BLUE」をリリースしてくてくれたドイツのレーベルINFRACom!が、僕達がニコラコンテから影響を受けていると察して、INFRACom!と親交のあったニコラコンテにオファーしてくれました。リワークの曲については、ニコラコンテ自身が、僕達の音源を聴いて、その中から選んでくれました。

【M:平 岩】ロンドンの人気DJであるジャイルズピーターソンや、JAZZANOVA率いるドイツのレーベルCompostのMichael Ruttenをはじめ、海外でnativeが高く評価されていますが、これからの作品で海外のnu jazz系のアーティスト(例えばspiritual southやquauticなど)のリワークやリミックスの予定はありますか?

【n:中村氏】リミックスに関しては、クラブ関係のインタビューでは、必ず質問されます。クラブユーザーにとって関心の高いところだと思います。僕達の方から、誰かにリミックスのオファーをするということは、現時点では考えていません。やはりオリジナル音源を聴いて、リミキサーが、リミックスをやりたくなるような音源を作るというところが、僕達にとっての一番の課題だと思っています。まずは、自分達の手で、これまで以上にクラブシーンで話題になるようなオリジナル音源を作りたいです。他の人の作品をリワークするという作業に関しては、トライしていきたいと思っています。

【M:櫛 川】プロフィールを見ると1999年にnativeを結成されたそうですね。年間100本以上のライブを行うなど、精力的な活動を続けておられますが、2007年までの8年間の活動で思い出に残るライブはありますか?

【n:中村氏】僕達は、ライブバンドだと思っています。継続的にライブを行うことでバンド活動を維持しているので、ライブなくしては、バンド活動の意味がありません。これまで本当にいろんな所で、ライブをさせていただいてきました。一回、一回のライブすべてが、本当に思い出として残っています。僕達には、それほどネームバリューもないので、客寄せとしてではなく、自分達の音楽に共感していただいて、ライブのオファーをいただいてきました。出演するイベントには、自分達に対する暖かい気持ちがあり、それを肌で感じられることが幸せです。結成当時、オリジナル曲も少なくスタンダードジャズのレパートリーも交えながら演奏したclub buddahでのライブも思い出に残っています(笑)。

【n:山下氏】ひとつに絞るのは難しいですね。でも記憶に残っているのはクラブでのライブが多いです。見ている人と音楽を分かりやすく共有できる場所だからかもしれないですね。始めたばっかりの頃にクラブで机の上に立って踊ってくれた人がいたり、演奏中にメンバーの誰かが抱きつかれたりとか。誰とは言わないですが(笑)。

【M:青 田】netiveは、クラブやカフェ、レストランなど、あらゆる場所で精力的に活動をされていますね。新たな活動の場として考えているものがあれば聞かせてください。

【n:中村氏】nativeのサウンドは、クラブミュージックを通過した現在進行形のジャズというコンセプトで、最近注目されているニコラコンテや、ファイブコーナーズクインテットに代表されるnu jazzの価値観に共通していると思います。nu jazzをライブとして発信する場所は、欧米であれば、ラウンジ、サロンだと思うのですが、日本には、まだそこまでの環境がないので、DJの皆さんに協力していただいて、DJとライブの両方を気軽に楽しめるような場所を自分達で提示していきたいのと、同じ志を持った新しい感覚のジャズミュージシャンといろんな地方で、交流できる場ができるといいなと思っています。

【M:高 島】ここからは、MEETIN'JAZZのメンバーからの質問コーナーです。まずリーダーの中村さんに質問ですが、音楽人生で心に残る曲や、影響を受けたアーチストはいますか?

【n:中村氏】僕は、兄がジャズを聴いていたのと、中学生からサックスを始たこともあって、割と早い時期からジャズに興味を持つようになりました。なので、やっぱり影響を受けているのもジャズミュージシャンからが多く、好きなミュージシャンを挙げるときりがないのですが、ジャズをスタイリッシュな音楽として感じるようなったのは、チェットベイカーを聴いてからです。特に彼の晩年の作品が好きで、ラストグレートコンサートというライブ盤に収録されている「I fall in love too easily」は、繰り返し何度も聴きました。曲ではありませんが、有名な写真家のブルースウェーバーが監督したチェットのドキュメンタリー映画「Let's get lost」も心に残っています。

【M:奥 田 】ニコラコンテがリワークしたPRUSSIAN BLUEを書き下ろした大久保さんに質問ですが、いつも「どんな時に」「どんな心境で」曲を作るのですか?

【n:大久保氏】曲は、次作のアルバムに向けて作る場合が多く、nativeのバンドカラーを維持しつつ、演奏や活動がより発展できるような曲調や価値観を自分なりに考慮して盛り込むようにしています。自分が作るのはシンプルなテーマ(メロディーライン)とコード進行、大まかなリズムパターンで、リハーサルやライブでの演奏を重ねて、細かな質感やテンポ、フレーズなどは他メンバーと共同で決めていくことが多いです。曲作りではいつも「シンプル」、「存在感」、「自分が聴きたいか」を意識していて、これらは世の中に現存する数々の名曲から感じたキーワードなんですが、この3要素が満たされるような曲を目標に作っています。今回の「prussianblue」は自分としても納得できた曲なので、nativeのCDや、二コラコンテのリワークを通して多くの人に聴いてもらえるのは大変嬉しく思いますし、この先も「ジャズスタンダード」としていろんなミュージシャンに演奏してもらえたらなんて思います。

【M:櫛 川】DMRのインタビューに、杉丸さんに影響を与えたアーチストは「キースジャレット」と書かれていました。そんな杉丸さんがお勧めするキースのアルバムは何ですか?お勧めのポイントも合わせて教えていただけたら嬉しいです。

【n:杉丸氏】キースのCDはいっぱいあって、ソロとかもいいのがありますが、まずは、「My Song」というアルバムがお勧めです。このCDはnativeと同じサックスのカルッテットで、曲もとても親しみやすいので、初めてキースを聴くにはいいと思います。ピアノトリオでは「Still Live」「Tokyo 96」がお勧めです。キースジャレットがすばらしいと思うのは、タッチに重力を感じるということです。ピアノのタッチは人それぞれですが、彼の音色は特に美しいと思います。それと彼の一つの大きな特徴としてクラシック的なハーモニー感覚があります。彼は普通のジャズ的なコードを縦割りにする考え方とは違い、クラシック的な流れを重視したハーモニー感覚を持っているように感じます。それから、彼の演奏にかける執着というか熱さというか、彼の言葉を借りれば、「獰猛さ」ということになりますが、やはりそれが、人を魅きつける要因になっていると思います。DVDを見てみると彼の動きが楽しめますよ。

【M:高 島】ドラムの山下さんに質問ですが、ライブ直前に考えることや、必ずやることなどがあれば教えて下さい。

【n:山下氏】ライブ直前に考えること、っていうのは特にないですが、演奏が始まるまでっていうのはクラブならDJの方がかけている、ライブハウスでも有線なりなんなりの音楽っていうのが掛かってるじゃないですか。そこまでの場の雰囲気というか、単純にその場に居合わせた人間の一人として音楽がつながるように、雰囲気がつながるように意識するようにはしています。まぁ、DJ的な気分、というか、DJの人達から学んだ、ってことになるんでしょうね。

【M:櫛 川】最後にリーダーの中村さんから、今後の活動予定などファンの皆さんへ、ひと言お願いします。

【n:中村氏】nativeの活動としては、これまで通り、ライブを中心に活動していくつもりですが、アナログリリースの影響もあって、特にクラブイベントへの出演が増えそうです。また、ライブと同時進行で、アルバム製作も行っていくもりです。年内には、新しいアルバムをリリースできるよう頑張りたいと思います。これからもnativeを応援して下さい。よろしくお願いします。

【M:全 員】これからもnativeのご活躍を期待しております。今回はインタビューに協力していただきありがとうございました。

 

<nativeプロフィール>

中村智由(sax、fl)、杉丸太一(piano)、大久保健一(bass)、山下佳孝(drs)の4人編成。
1999年に結成。名古屋のストリートから活動をスタートし、自主制作で2枚のミニアルバムを発表後、「Stride/Inpartmaint」より3枚のフルアルバムをリリース。
2006年11月にリリースした最新アルバム「UPSTAIRS」は、BBC(英国国営放送)のDJジャイルスピーターソンの番組「World Wide」で選曲される。
2007年2月にドイツのレーベル「INFRACom!」からリリースされたアナログEP「PRUSSIAN BLUE」は、イタリアのDJニコラコンテがリワークを手がけており話題沸騰中である。
アコースティックジャズを基盤としたクールでスタイリッシュなサウンドを展開し、その独特のグルーブ感覚とカラフルな楽曲スタイルは、日本のnu Jazzアーチストの先駆けとして、ジャズ/クラブの両シーンにおいて、国内外から大きな注目を集めている。