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interview19 <2007/5/3>
KEB DARGE JAPAN TOUR IN NAGOYA @ CLUB BUDDHA

KEB DARGE INTERVIEW

TEXT by OILY CREW NIKON, 協力―TAMMY KOOL

●今回のツアーでの、各地の印象はどうでしたか?

KEB-東京はいつもと変わらない印象だね。ただ今回は、特別に企画してもらって、小さな箱で、ロカビリーや、BLUES ばかりを、PLAYしたんだけど、それはとてもエキサイティングだったよ。最高に楽しかったね。後は、札幌も、いつもお客さんが、楽しそうに踊っていて、好きな街だよ。

●話しながら、何度もメールのやり取りをしてましたが?日本のガールフレンドですか?

KEB-だといいんだが(笑)。今、カット・ケミストと、打ち合わせのやり取りをしていたのさ。今度リリースする< LOST & FOUND > のランチ・パーティーの事でね。

※LONDON のCLUB MADAME JO JO’S にて、KEB DARGE が主宰するイベント< LOST & FOUND> と同名のコンピレーションアルバムが、6月にBBE からリリースされる為、そのランチパーティーをカット・ケミストと行うそうです。

●ではその< LOST & FOUND> について教えてもらえますか?

KEB-SOUL, BLUES, SKA, R & B, ROCKABILLY, 等 50’S も含めて今までとは少し違うスタイルで2006年からスタートさせたんだが、お客さんも単純にCLUBへ遊びに来るのを楽しんでいる感じでとても良い雰囲気だよ。自分自身も今ロカビリーやBLUESの新しい音源を掘るのがとても楽しいしね。

●ロカビリーは、いつ頃から聴いていたんですか?

KEB-そうだなー89年に半年ほど日本に滞在して、色んなCLUBでPLAYしてたんだけど、その頃知り合った女の娘が、よくロカビリーを聴いててそれから特によく聴くようになったんだよ。

そうだ、カット・ケミストと一緒にコンピを出すきっかけになったエピソードってのがなかなか傑作でね、・・・・。(スミマセン、この話の詳細は、カット・ケミスト氏の名誉の為に、敢えて伏せさせていただきます。結構情けないことになってますので・・・。)今、< LOST & FOUND >コンピのVOL.2を、Paul Wellerと製作中なんだ。内容は、SOUL とROCKABILLYが中心になるよ。元々< LOST & FOUND >のスタートの時は、Paulと二人で、DJをしたんだよ。そんな関係も有って、彼とコンピを出す事にしたんだ。

●常にHARD WORKINGの様ですが、何か体調を維持する為に心がけている事は有りますか?昔から格闘技はされてらっしゃるようですが。

KEB-そうだね、昔から常に体を鍛えているよ! でも今は、格闘技よりも『抜刀道』をメインにしている。真剣を使って行う、居合だね。(と実際に切る真似をしながら)それと同じ先生から習っているヨガの呼吸法。それらによってメンタルな部分を整える事が、体を維持するのにとても役立っているよ。そう、11月に、その『抜刀道』の国際大会に参加する為にチームで日本に来るんだよ。世界中から多くのチームが参加するよ。それもとても楽しみさ!

●33年間DJとしてずっとPLAYされている訳ですが、そのキャリアの中でも、特に印象深いエピソードは有りますか?例えば、一番長い時間PLAYしたのは?

KEB-スイスのジュネーブで、9時間ぶっ通しでPLAYした事があるよ。その日空港に着いて迎えに来てくれた人に「今日は何時からPLAYするの?」と尋ねたら、「PUBがOPENする9時からになります」って答えたから「じゃあ、何人でPLAYするの?」って聞いたら、「もちろんKebさんお一人ですよ」、「えっ、何時まで?」「さあ?朝までですかね」なんてやり取りがあって、結局、朝PUBがクローズするまで、9時間以上廻し続けたよ。その間、何度か同じ曲をかけたりしたけど、とにかく大変だったね。じゃあ、トイレとかはどうするんですか?そりゃあ、もちろんジョッキに貯めるのさ。だからブースの下に、ジョッキがたくさん並んだよ。

●では、最も観客が多かったのは?

KEB-オランダのQueenの誕生日セレモニーの時は、2万8000人の前でやったよ。圧巻だったなあ。それにそのQueenがとてもフランクな人でね、実は顔も知らなかったから、初めはそれがQueenだとは気が付かなくてね。ブースにとある女性がコーラを運んできてくれてね。「どうも」なんて気軽に挨拶して、隣にいた人間に、あの人誰?って訊いたら、「あの方がQueenですよ」なんて言われてビックリさ。その後も色々話したんだけど、「昨年は、FAT BOY SLIMにPLAYしてもらって、若い人達にはとてもウケてたんですけど、今年はKebさんにPLAYしていただいて、若い人だけでなく、みんなに喜んでもらえて、とても嬉しいですわ」なんて声を掛けてもらったよ。 Queenって聞くと、何だか畏まってしまいますね。でも、イギリス以外のヨーロッパの王族の人たちの中には、気さくに接してくれる人も沢山いるよ。これも、ノルウェーで、ゲストに呼ばれてDJしたときの話なんだけど、PLAYしてたら、スーツ姿のすごく立派なガタイの人間が現れて、ニコニコしながらブースを覗いててね、握手を求められたりしたんだけど、周りを如何にもSPって感じの人間が取り囲んでたから、てっきりサッカー選手か何かだと思ってたんだけど、後から聞いたら、なんとコレが、ノルウェー国王でね、この時も驚いたね。まさかあんな体格のいい人が国王とは思わないさ、普通。

●ところで最近のロンドンの状況はどうですか?

KEB-そうだな、何年か前からそうなんだけど、HOUSE やHIP HOPのウケは、良くないと思うよ。SOULに関しても、どうかな、「100CLUB」は正直つまらないと思うよ。NORTHERN SOULのDJにしても、イベントに対して人数が多すぎだよ。だって<BUTCH>が一人で廻せばそれで事足りるはずだろ。なのに、一晩で10人とかDJがいるんだから・・・。でも、James Troubleがやってる、「SOUL REVOLUTION」っていうPARTYは最高だよ。ホントにいいイベントさ。内容も、お客さんも、素晴らしいよ。JamesはNice Guyだしね。「DEEP FUNK」も相変わらず、盛況だね。でもやっぱり、今は「LOST & FOUND」が楽しいよ。MADAME JO JO’s では12年ぐらいやってるけど、ここが世界で一番好きなCLUBだよ。最高さ。

●今後予定しているプロダクションについて教えていただけますか?

KEB-まずKenny Dope とやってるKAY−DEE からコンピレーションアルバムをリリースする予定があるよ。選曲も進んでいて、Old Funk のリミックス中心になりそうだよ。ケニーがやはりその辺りが好きだからね。あとは今度、Paul Weller と一緒に、Victoria & Albert Museum で、講演と、DJをするんだけど、それをDVD化してリリースする計画になっているよ。それから今一番力を入れて進めているのが、< Nia Saw > という女性シンガーのプロデュースだね。最高のシンガーで、しかも素晴らしいFunk DJ でもあるよ。”ZAP MAMA”ってタイトルで、曲は、DAP-KINGSが演奏して、アメリカとイギリスでやり取りしながら作るんだけど、ゲイブ(DAPTONEの社長)とも、細かい打ち合わせをしているところさ。特に最近は、ファンクのコンピを作るよりも、新しいものをクリエイトしていく方が、数倍楽しい作業だよ。今度、その、Nia が、『DEEP FUNK』でDJするんだよ。彼女は、私が今一番好きなFUNK DJさ。一緒にPlay 出来るのが、最高に嬉しいね。

●ではそろそろ、時間のようなので、コレでインタビューを終わりにさせていただきます。有難うございました。

KEB-もう、終り?(と日本語で)何だったら、あと10時間ぐらい話そうか?(笑)じゃあ、今から楽しもうか。

<エピローグ>
クラブブッダでのイベントが終って、夜明けの街をホテルへと向かう道すがら、Kebさんが、ボソッと、「正直FUNKを廻すのは、かなりウンザリなんだよ。(苦笑) まあ、これも自分の所為だから仕方ないんだけど、もう18年も毎日、FUNK,FUNK,FUNK,だったからね。今は自分をのめり込ませる何かが必要なんだと思う」と漏らしたのがショッキングであるのと同時に、とても印象的だったのだが、後日、インタビューに協力してくれた、京都のTAMMY KOOL嬢からこんなメールが届き、納得したのでありました。

※TAMMY嬢が先日ロンドンの<LOST & FOUND>に遊びに行った時の話で、『マダム・ジョジョではみんな知ってる曲がかかって嬉しそうに 歌って踊ってたけれど、あれはみんなが昔から知ってる曲を かけているからなの?』 と聞いたら、『まさか!違うよ。あれは、私や他のDJが新しくディスカバー してきたものを何度もかけているから、みんなが徐々に覚えて歌っているんだよ』というので、TAMMYは『そうなの!?みんなしっかり歌詞を知ってたから、FUNKよりももっとその音楽がフロアにもともと近くて、馴染みやすいから そういう現象が起きてるのかと思ってた』と言ったらケブは 『FUNKもロカも同じ。わたしたちは自分がいいと思うものをフロアに流して「こんなにかっこいい音楽があるんだ」と教え、 みんなはそれを楽しむ、それだけだよ。ジャンルとか種類とか、そういう区切りをつけたがる人もいるけれど、僕はもっとシンプルだと思う。FUNKを飽きたと言っているのも、もう20年近くFUNKを探してきた結果、今自分にピンと来るディスカバリーがないから飽きたと言っているだけで、いいFUNKに出会ったら当然興奮するよ。だって、根本的にはFUNKが好きだからね。』という事のようでした。

33年間もの、永きに渡って、TOP DJとして、活躍し続けてこれたのは、やはりこの辺りの音楽に対する情熱と言うか想いなのかなと一人勝手に納得したのでありました。